GTINの利用形態
GTINは、JANシンボル・ITFシンボルによるバーコード表示をはじめ、EDI(電子データ交換)などのシステム上での商品識別コードとしても、広く利用されています。さらに、GS1-128シンボル、GS1データバー、GS1 QRコード等の属性情報を併せて表示するバーコードや電子タグ(EPCタグ)にもGTINは使われます。
①JANシンボル、ITFシンボルでの利用
GTIN-13(JANコード)はJANシンボル、GTIN-14(集合包装用商品コード)はITFシンボルによる表示が、国内では最も一般的な利用形態です。
JANシンボルは、小売業のPOSでの精算、商品の発注、入出荷検品、在庫管理の際に読取り活用されています。
ITFシンボルは、物流センターや倉庫において、ソーター、コンベアライン、自動倉庫等で自動読取りされ、方面別・得意先別の仕分けに活用される他、入出荷検品や在庫管理に利用されています。
②システム上での利用(インターネット通販、EDI)
近年では、インターネット通販をはじめとして、POSシステムでのJANシンボルの読取りが必ずしも行われない分野においても、商品情報と紐づけされたGTINが、販売する商品の識別や、商品の名寄せ等、商品管理に活用されています。また、GTINはインターネットで配信される楽曲などのデジタルコンテンツの商品識別にも使われています。
さらに、受発注や出荷予定情報、請求情報等のデータを企業間で交換するEDI(電子データ交換)においても、GTINが活用されています。流通BMS等の標準的なEDIでGTINを取り扱う際には、14桁に揃えて利用します。
③属性情報(ロット番号や製造日等)と組み合わせたバーコードでの利用
GTINと属性情報を組み合わせてバーコード表示し、商品管理の効率化・高度化や在庫の先入れ先出し、トレーサビリティ等に活用することも可能です。
ヘルスケアの分野では、医療用医薬品や医療機器に、GTINに加えて有効期限やロット番号などが書き込まれたGS1データバー合成シンボル、GS1-128シンボルあるいはGS1データマトリックスが表示され利用されています。
またグロサリーの分野では、食品原材料や一般消費財の集合包装、POSレジを通す商品など、様々な商品にGTINに加えて賞味期限やロット番号などが書き込まれたGS1二次元シンボル等を表示し活用する動きがあります。
属性情報をバーコードに表示する際には、GS1アプリケーション識別子(AI)というルールに従います。AIの活用事例についてはこちらをご参照ください。
④電子タグ(EPCタグ)での活用
アパレル・ファッション分野の商品を中心に、電子タグ(EPCタグ)が使われ始めています。これらの商品に付けられた電子タグには、同じGTIN-13(JANコード)のついた商品を1点1点個別識別することができるように、GTIN-13(JANコード)にシリアル番号を加えたSGTIN(Serialized GTIN:シリアル化されたGTIN)が書き込まれています。誤って同じ商品のコードを複数回読んでしまう心配がないため、検品や棚卸のように大量の商品の読取り確認をともなう業務の効率性、迅速性、正確性が向上します。