AIを正しく実装するためのポイント(プリンター、スキャナーメーカー様向け)

1.AIで表現できる情報についての原則

AIで表現できる情報項目は、すべて商品識別コードや資産識別コードなどの「識別コード」や「日付をYYMMDDの6桁で表す」といったように、表示形式や桁数(文字数)が決められた属性情報です。 漢字・かなといった特定の言語に依存するテキストデータは使用できません。

AIで表現できる情報についての原則参考画像

2.重要な制御記号FNC1(ファンクション1)

FNC1(ファンクション1)は、AIをGS1標準シンボルに表現する際に重要な役割を果たす制御記号です。目視文字には表さないため、通常はユーザーに認識されない部分ですが、GS1標準シンボルを正しく表現し、正確なデータをシステムに取り込むために不可欠の機能です。 FNC1には2つの役割があり、使われる位置によって機能が異なります。

1)シンボルの先頭:そのシンボルが表現するデータがGS1標準のデータであることを示す
 独自フォーマットのデータや、ANSIなど他の標準のデータと区別するために使用します。

2)シンボルの途中FNC1の直前の可変長データの終了(区切り)を示す
 可変長データの後ろに他のデータが続く場合に、可変長データの項目区切りとして使用されます。
 なお、固定長のデータの終了時には、FNC1は必要ありません。

重要な制御記号FNC1(ファンクション1)参考画像

3.目視文字表示の注意

AIは、上図に示すように、バーコードに付随する目視文字においては、カッコつきの数字として表記されます。ただし、このカッコはバーコードには表現しません。

4.「固定長データ」と「可変長データ」の定義

AIで規定されている情報項目には、固定長のデータと可変長のデータがありますが、システムで固定長として扱うことができるのは、AIの数字の最初の2桁が裏面の表(黄色で示した部分)に記載されたものに限られます。これ以外のAIは、たとえ表示するデータが決まった長さであっても、システム上はすべて「可変長」として扱うことになっており、注意が必要です。

~「固定長」とみえるが「可変長」として扱われるAIの例~
例えば、AI(7003)では必ず10桁で有効期限年月日時分を表しますが、AIの頭の2桁である70が裏面の表にないため、システム上は可変長のAIとして扱います。具体的には、AI(7003)の後にデータが続くときは、データの区切りのFNC1を置く必要があります。このFNC1を置かないと、スキャナで読み取った際に、読取エラーとして処理される場合があります。

固定長扱いのAI(上2桁)の一覧

固定長扱いのAI(上2桁)の一覧参考画像

5.AIのデータに利用することができる文字の種類

AIで規定する情報を表す際に使用できる文字の種類は、以下の通りに定められています。
・数字(0~9)
・アルファベット
・以下に示す記号

AIのデータに利用することができる文字の種類参考画像

これ以外の、言語依存のアルファベット(例:漢字・かな、キリル文字、アラビア文字など)の文字セットは使用できません。また、上記の表にない、「@」や「スペース」などの記号も使用できません。

<注意>
AIのデータに、ASCII128の128個の記号や文字のすべてを使用できるというのは誤りです

6.AIの順番の原則

AIのデータの並び順には、大まかな原則があります。
商品識別コード(GTIN)+属性情報(固定長)+属性情報(可変長)+属性情報(可変長) + ・・・

1) 商品コードを最初に、属性情報はその後ろに表示する
2) 固定長と可変長の属性情報がある場合、固定長データを先に表示する
固定長データが複数ある場合の固定長データの順番は、表示する側の自由設定(*)
可変長データが複数ある場合の可変長データの順番は、表示する側の自由設定(*)
*特定の業界で順番を含めて標準化している場合は、その標準ルールに従ってください

<注意>
「属性情報のAIの番号の若い順に設定する」というのは誤りです

最新の標準情報を参照ください:

  1. ユーザーニーズにより、新しいAIが追加されたり、従来のAIの定義が拡げられたりします。
    日本語の簡単な定義とデータの表示形式の説明はこちら。
    https://www.gs1jp.org/assets/img/pdf/GS1_Application_Identifiers_2103.pdf
  2. GS1標準の総合仕様書(英語版)は、無料で公開されています。
    http://www.gs1.org/barcodes-epcrfid-id-keys/gs1-general-specifications