GS1 Digital Linkの利用方法 - ブランドオーナー編 -

ブランドオーナーが、GS1識別コードを用いてウェブ上で商品に関する様々な情報・サービスを発信するため「GS1 Digital Link」を実際に導入したい、となった際、具体的にどのようなステップが必要になるのか。GTINを活用する例を用いてご紹介します。なお、準備、検討の順番はご都合に合わせて変更可能です。

※その商品の仕様について責任を持っている事業者。


導入のステップ

① 商品に紐づけたいウェブ上の情報を整理しましょう。

商品情報ページや販売店一覧ページ、商品のトレーサビリティ情報を開示するページなど、商品に紐づけたいウェブ上の情報(ここではサービスと総称)を整理します。
既存ページだけでなく、これから用意するページも含めてリストアップしましょう。

② GS1 Digital Link URIを組み立てましょう。

サービス発見のためのURL「GS1 Digital Link URI」を作ります。
GS1 Digital Link URIシンタックスという標準化された文法を用いて、GTINをウェブのURLで表現します。

※サービスの場所を直接示すのではなく、GS1識別コードから、複数のサービスの場所を見つける機能のこと。


GTINとロット番号・シリアル番号など属性情報のデータの先頭に付けて使用する、2桁から4桁の数字のコードであるGS1アプリケーション識別子(AI:Application Identifier)とデータを組み合わせます。

なお、GTINは必須のデータですが、必要に応じて属性情報のデータも加えることが可能です。
ロット単位・個品単位など、より粒度の細かい識別が可能になります。
 


こちらのGS1 Digital Link URIの例にあります、ドメイン(id.gs1jp.org部分)はリゾルバに該当します。
③リゾルバの構築・設定をしましょう。 をご確認ください。

③ リゾルバの構築・設定をしましょう。

1つのGTINから複数のサービス発見を行うためには、リゾルバのはたらきが不可欠です。
リゾルバが、GTIN・属性情報に紐づくサービスの情報を保持し、クライアントの要求に応じてその情報を提供します。
ウェブのしくみの中で一般的にリダイレクトと呼ばれる挙動です。
 

1つのGTINに対して、①商品に紐づけたいウェブ上の情報を整理しましょう。 で整理した複数のサービスを関連付けてリゾルバに登録します。

リゾルバは、誰が用意しても構いません。自社で用意するか、第三者が提供しているリゾルバを利用するかは選択可能です。

「id.gs1jp.org」はGS1 Japan が実証実験用に提供しているリゾルバです。
GTINレベルの識別粒度に対して、サービスの種類と言語に応じた複数サービス切替が可能です。

ロットレベル・個品レベルには対応していません。
実証実験で利用されたい場合は、GS1 Japan EPCデスクまでお問合せください。

サービスの種類を表現するLink Typeというメタデータを、それぞれのサービスごと設定する必要があります。
 


Link Typeの一覧は、GS1本部のページに公開されています。

Link Type一覧(GS1本部ページ)(外部リンク)

④ データキャリアを選択しましょう。

GS1 Digital Linkはデータキャリアに依存しません。
1次元バーコード、2次元バーコード、RFIDから、導入する対象に適したデータキャリアをご選択ください。

スマートフォンのカメラ機能などで簡単に読み取ることができるため、消費者への情報提供などを目的に次世代QRコードの活用が広がっています。

※次世代QRコードは正式にはQRコード(GS1 Digital Link URI方式)と呼ばれ、データをGS1 Digital Link URIシンタックス形式でQRコードに表現したものです。

 

 


次世代QRコードの詳細やその他活用事例はこちらからご覧ください。

⑤ アプリケーションを準備しましょう。

次世代QRコードを1つのウェブページにリンクさせるだけなら、特別なアプリは必要ありません。
しかし、複数のウェブページに誘導したい場合は、専用のアプリを用意する必要があります。

アプリを使うことで、GTINに紐づくさまざまな情報やサービスへ、利用者が簡単にアクセスできるようになります。例えば、アプリの種類やメニューの選択によって、同じQRコードを読み取っても異なるページに誘導することが可能です。
どの情報やサービスへ誘導するかは、③リゾルバの構築・設定をしましょう。で説明したLink Typeの指定によって決まります。
 


詳細な商品情報やアレルギー情報、トレーサビリティ情報などを消費者に提供することで、ブランドの価値向上・消費者エンゲージメントの向上に繋がります。
また、小売業者向けに商品のリコール情報、期限切れ情報、真贋判定などに活用するなど、業務効率化や信頼性確保にも活用いただけます。

また、GS1 Digital LinkはGTIN以外のGS1識別コードにもご利用いただけます。
例えば、個別の資産を識別するGS1識別コード、GIAIを物流機器に設定し、ウェブ上にある個々の機器のメンテナンス情報と紐づける、といった活用も可能です。