GS1データマトリックス

GS1データマトリックスとは

GS1データマトリックスは、GS1のアプリケーション識別子(AI:Application identifier)を利用して、データマトリックスと呼ばれる2次元バーコードシンボル体系で表現したものです。一般的なデータマトリックスと区別するため、「GS1データマトリックス」と呼びます。

GS1データマトリックスシンボル表示例

画像:GS1データマトリックスシンボル表示例

GS1データマトリックスにエンコードする情報と順序

データの先頭には、GS1のデータであることを示す記号であるFNC1を置きます。FNC1の後のデータの大まかな順序はAIを利用する他のGS1標準のバーコードと同様で、通常は、商品識別コード(GTIN)、属性情報の順となります。属性情報に固定長、可変長がある場合は、固定長データを先とします。可変長データの後ろに他のデータが続く場合は、可変長データの項目区切りとしてFNC1が必要となります。
GS1データマトリックスにはGS1-128で使用されるような、スタート、ストップを示すキャラクタはありません。
数字、アルファベットの他、ISO/IEC 646国際基準の内、GS1標準で規定された一部の記号が使用できます。

画像:GS1データマトリックスにエンコードする情報と順序

FNC1の設定、使用文字などについて詳しくはアプリケーション識別子について
注)データの順序については、国と地域により異なることがあります。

GS1データマトリックスのサイズ

GS1データマトリックスのサイズはモジュール幅によって決定されます。モジュール幅は、シンボルの作成、読み取り装置の対応能力などを勘案し、使用目的などによって定められています。
GS1データマトリックスのサイズについて詳しくは GS1総合仕様書参照

正方形と長方形のフォーマット

GS1データマトリックスには、正方形と長方形のフォーマットがあります。正方形フォーマットには、10 x 10モジュールから144 x 144モジュールまでの24種のサイズがあり、最大で数字3,116桁をエンコードすることができます。一方、長方形フォーマットには8×18モジュールから16×48モジュールまでの6種類のサイズがあり、最大で数字98桁をエンコードすることができます。
正方形フォーマットの方が利用できるサイズの範囲が広く、大量のデータをエンコードすることも可能なので、通常、正方形フォーマットが使われます。

長方形と正方形のGS1データマトリックスシンボル例

画像:長方形と正方形のGS1データマトリックスシンボル例

利用例

アメリカ、ヨーロッパをはじめ海外の多くの国では、医療用医薬品、医療機器などの規制ヘルスケア商品について、GS1データマトリックスの利用が始まっています。

画像:海外の医療品パッケージへのGS1データマトリックス表示例

またPOSレジを通す商品について、商品識別コード(GTIN)に加え属性情報(賞味期限やロット番号等)を表したGS1二次元シンボルを活用する動きが広がりつつあり、一部の国では先行導入が始まっています。当該分野で利用が推奨されている二次元シンボルの一つとして、GS1データマトリックスが定められています。詳細はこちらをご参照ください。

画像:GS1二次元シンボル表示例

段ボールケースへのGS1データマトリックス印字について

GS1 Japanではインクジェットプリンタ等で段ボールにGS1データマトリックスを直接印字した際の、印字品質を検証するプロジェクトを実施しました。
詳しくは こちらをご覧ください。