食品原材料にもバーコードを

~原材料識別のためのバーコードガイドライン~

加工食品メーカーが自社の製品を製造するうえで使用する原材料(食品原料および資材)に表現する標準データ項目とその項目を表示する推奨バーコードを定めた「原材料識別のためのバーコードガイドライン」を発行しました。原材料は小売店のPOSを通らず、消費者が購入することもありませんが、こうした分野の商品にもバーコード表示が求められています。商品にバーコードが表示されることにより、各社の原材料の入出荷管理、在庫管理、受発注業務の省力化、正確化、スピード化やトレーサビリティへの活用が期待されています。また、標準化された商品識別コードによるEDIの促進にもつながります。ぜひご活用ください。

主な想定読者

原材料メーカー、加工食品メーカー、PB製品を製造・販売する小売業、原材料を取り扱う卸売業や物流企業、ソリューションプロバイダー等

バーコードはPOSレジ専用でも一般消費財専用でもありません。

バーコードというとスーパーマーケットやコンビニエンスストアで商品を購入する際、レジで読み取るものがよく知られていますが、バーコードはレジで精算をするためだけのものではありません。

レジ精算以外にも、検品業務、棚卸業務、仕分け等に活用されています。

写真:検品業務、棚卸業務、仕分け等のバーコード

バーコードのメリット

バーコードは、情報を機械で素早く正確に読み取り、コンピュータ処理するためのしくみです。したがってバーコードがモノについていると、モノと情報が一致し、正しい情報を素早く確認してシステムに取り込めます。

1)精度の高い入出荷業務

バーコードを入出荷業務に活用することにより、目視で確認していた作業を、バーコードを活用した作業へ移行することが可能になります。

図:精度の高い入出荷業務

2)データ入力省力化・正確化

トレーサビリティ確保のため、ロット単位での入出荷の記録・保存を素早く正確に実施することが可能となります。

図:データ入力省力化・正確化

3)迅速な問合せ対応

原材料の入出荷記録をシステムで保存、管理すれば、データの照合に要する時間が格段に短くなり、迅速な対応を可能にします。

図:迅速な問合せ対応

共通項目は重要

原材料のバーコードに表現する項目が標準化されていない場合

  • 図:原材料メーカーの悩み

    原材料メーカーの悩み

    同一の原材料でも取引先毎に異なるバーコード(項目)を表示することが必要になり作業効率低下やコスト高の要因となります。その結果、バーコードの表示が非常に困難となります。

  • 図:加工食品メーカーの悩み

    加工食品メーカーの悩み

    原材料メーカーによる原材料へのバーコード表示が進まず、原材料入荷時に目視で確認し、データを手入力をすることが必要となります。その結果、バーコードの表示が非常に困難となります。作業が煩雑になり、非効率で高コストです。

原材料のバーコードに表現する項目が標準化されている場合

  • 図:原材料メーカーのメリット

    原材料メーカーのメリット

    取引先ごとに異なるバーコード(項目)を表示する必要はなくなり、複数の取引先に標準フォーマットのバーコードを表示して原材料を出荷することが可能になります。

  • 図:加工食品メーカーのメリット

    加工食品メーカーのメリット

    原材料メーカーによるバーコード表示率向上が期待されます。バーコードが表示されている原材料が増加すれば、これらのバーコードを活用し、正確で効率的な入出荷管理、記録等が可能になり、トレーサビリティ構築にも役立ちます。

原材料のバーコードに表現するデータ項目

重さやサイズが定まっている定貫商品

項目 AI 内容 フォーマット
商品コード 01 GTIN 数字2桁(AI)+
数字14桁(商品コード)
製造日 11 原材料の製造日 数字2桁(AI)+
数字6桁(製造日のYYMMDD)
賞味期限日
または
消費期限日
15
または
17
賞味期限日
または
消費期限日
数字2桁(AI)+
数字6桁(賞味期限日または消費期限日のYYMMDD
ロット番号 10 原材料メーカーが設定した記号番号 数字2桁(AI)+
英数字最大20文字(ロット番号)

同じ商品でも荷姿毎の重さやサイズがバラバラで都度異なる不定貫商品

項目 AI 内容 フォーマット
商品コード 01 GTIN 数字2桁(AI)+
数字14桁(商品コード)
重量・量目・寸法 3nnn 計量単位に続き、重量等の数値を表示する。 数字4桁(AI)+
数字6桁(重量・量目・寸法)
製造日 11 原材料の製造日 数字2桁(AI)+
数字6桁(製造日のYYMMDD)
賞味期限日
または
消費期限日
15
または
17
賞味期限日
または
消費期限日
数字2桁(AI)+
数字6桁(賞味期限日または消費期限日のYYMMDD
ロット番号 10 原材料メーカーが設定した記号番号 数字2桁(AI)+
英数字最大20文字(ロット番号)

※ GTINの概要については https://www.gs1jp.org/standard/identify/gtin/を参照

※ AIの概要については https://www.gs1jp.org/standard/identify/ai/ を参照

推奨シンボル(バーコード)

  一次元シンボル 二次元シンボル
推奨シンボル

GS1-128シンボル

GS1-128シンボル

GS1 QRコード

GS1 QRコード
選択可能
シンボル

GS1データバー拡張多層型

GS1データバー拡張多層型

GS1 データマトリックス

GS1 データマトリックス

(注)「原材料入出荷・履歴情報遡及システムガイドライン(通称:原材料ガイドライン)」に記載してある非GS1標準のISO/IEC15434方式(QR コード)とは異なります。メッセージ ヘッダ [)>RS や フォーマット ヘッダ 05GS を使用することはありません。詳細はガイドライン6章を参照してください。

GS1 Japan Scan アプリ

バーコードを本ガイドラインの推奨に沿って作成できているかを簡易チェックできるスマートフォンアプリです。
詳細はこちらをご参照ください。※リンク先からダウンロードページへアクセスできます。

GS1 Japan Scan アプリ

詳細については 原材料識別のためのバーコードガイドライン を参照してください。

  • ガイドライン

    ガイドライン:PDF
  • ガイドライン(英語)

    ガイドライン(英語):PDF
  • ガイドラインリーフレット

    ガイドラインリーフレット:PDF

お問い合わせ先

ソリューション第1部 グロサリー業界グループ
TEL:03-5414-8506
電子メール:aidc@gs1jp.org